基調講演

基調講演

テーマ:「プレイセラピストの遊ぶ能力と両性具有性」
講 師: 北山 修(白鴎大学学長・個人開業)

 遊ぶことを心の内外の間、つまり中間領域に位置付けたのは、精神分析のD.W.ウィニコットだと思うが、そこに身を置く能力はどこから生まれるのだろう。それはおそらく「どっちつかず」で中途半端でいられることからではないかと思うのだが、その根拠を日本文化や日本語の素材を活用して論じてみたい。特にセラピストを育てる立場から考え、セクシャリティの点で言うなら、前性器愛的な両性具有性と関係があると思うので、その割り切れなさを示すためにも言葉で語ってみたい。

講師:北山 修先生のご紹介
1946年、淡路島に生まれる。1972年、京都府立医科大学卒業後、ロンドンのモーズレイ病院およびロンドン大学精神医学研究所で卒後研修。帰国後、北山医院(現南青山心理相談室)院長。1991年、九州大学教育学部カウンセリング講座助教授、1994年同教授。2000年、九州大学大学院人間環境学研究院教授、2001年より同大学院医学研究院教授を兼任。専門は精神分析。医学博士。九州大学名誉教授。現在は、個人開業および白鷗大学学長。国際精神分析協会正会員。元日本精神分析学会会長。元日本精神分析協会会長。
主な著書に『悲劇の発生論』(金剛出版、1982/増補新装版 1997)『錯覚と脱錯覚』(岩崎学術出版社、1985/改訂版 2004)『幻滅論』(みすず書房、2001/増補版 2012)『共視論』(共著、講談社、2005)『日常臨床語辞典』(執筆・監修、誠信書房、2006)『劇的な精神分析入門』(みすず書房、2007)『覆いをとること・つくること』(岩崎学術出版社、2009)『最後の授業』(みすず書房、2010)『評価の分かれるところに』(誠信書房、2013)『意味としての心』(みすず書房、2014)『定版 見るなの禁止』(岩崎学術出版社、2017)『「内なる外国人」』(みすず書房、2017)など。主な監訳書にD・W・ウィニコット『小児医学から児童分析へ』(岩崎学術出版社、1988)、J・ストレイチー『フロイト全著作解説』(編集・監訳、人文書院、2005)、フロイト『「ねずみ男」精神分析の記録』(編集・監訳、人文書院、2006)『フロイトと日本人』(編著、岩崎学術出版社、2011)など。
※『内なる外国人』(2017年, みすず書房)から一部改編して引用